Windows 11 22H2でVMWare Workstationが激遅な件

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最後の最後まで移行を保留していたPX-W3PE4の移行も終えて(winusb版に切り替えてデータのドロップが収まった)、ようやくすべてのアプリをDELL 7920に移し終えました。
ソフトはただインストールしなおせば大丈夫だろう程度にしか思っていませんでしたが、思いがけず、VMWare Workstation 16でVMを5台ほど動かしたところでホストOS自体の動作が激重になり、とてもまともに使っていられなくなりました。

決してCPU高負荷になっているとかそういうことではなく、負荷は極めて低いにもかかわらず、何かに処理を妨げられて遅くなっているような雰囲気です。SSDの負荷も5%程度で推移していました。
これまで使っていた自作機が2.2GHzの28コアだったので、2.1GHzの40コアになって遅くなるはずがありませんが、OSがWin10からWin11になったので、そこが原因である可能性はあります。

とにかく似た事例がないか調べて、確率が高そうなものから順に試していきました。

まず必ず最初にヒットするのはOSのハイパーバイザーを無効化する方法です。
Win10のときは自分で無効化していたか忘れてしまいましたが、VMWareの仮想マシンの設定に「サイドチャネルの緩和」というオプションが出ていて、仮想マシンの起動時に、OSのハイパーバイザーが有効になっているので、サイドチャネルの緩和を有効にしないとパフォーマンスが悪くなるというような警告が出ます。
最初はそのせいかと思い、各VMの設定で該当項目をONにして起動していましたが、何ら変わる様子はなく、引き続きホストPC自体が激重です。

なので、管理者のプロンプトでWin11のハイパーバイザーを無効化しました。

bcdedit /set hypervisorlaunchtype off

ですが、やはりこれといって違いはありませんでした。

次に試したのは、"Alder Lake"世代のCPUでVMWareを動かすと、CPUコアの利用が偏って遅くなるという現象?に対する対処として挙げられていたものです。ただ、Cascade LakeのXeonなので、この事象の対処は効果が望めないことは予測できました。

powercfg /powerthrottling disable /path "C:\Program Files (x86)\VMware\VMware Wokstation\x64\vmware-vmx.exe"

実際、これを設定したところで変化はありませんでした。
なかなか決定打と思える策が見つかりませんでしたが、もうちょっと調べたら、グループポリシーで「仮想化ベースのセキュリティを有効にする」を明示的に無効にするという方法を見つけました。

virtualizationbasesecurity.jpg

確かに、負荷が上がっているわけでもないのに遅いという事象に一番しっくりくるのは、何らかのセキュリティ機能などによって都度足止めを食らうという感覚です。
ただ、グループポリシー程度で制御できるものということで、さほど期待もせずに設定しました。

設定してから徐々に起動するVMを増やしていきますが、5台まで増やしても、今まで感じていた全体的なもっさり感がありません。感覚的には直ったように感じました。そのまま一晩寝かせてみましたが、朝になっても軽さは変わらず、これで直っているような気がしなくもありません。

このまま様子見でしょう。
30万円ちかく投資しておきながら、古いPCより遅くなったら話にならないので、何としても解決策を見つける必要があります。

[後日談]
上の設定を適用して数日、何度かPCを再起動したりしていると、たまに激重になることがあります。ただ、そのきっかけがはっきりつかめました。それは、起動しているVMのうち1台が、OSの起動に5分ほどかかり、あらゆる操作の反応に何十秒もかかるような挙動を示すことがあって、そのVMさえ起動しなければ普段は快適だということです。
そのVMにはオンプレミスのExchange Server 2019がインストールされていたのでそこそこ重要だったこともあり、追加のExchangeをセットアップしてメールボックスを全移動して、問題のあったVMはドメインから切り離して破棄しました。
なぜたった1台のVMの重さがPC全体の重さに繋がっているのか、CPU使用率が高いわけでもないのに全く謎ですが、それで解消したようなので一安心です。