Ensoniq MR76の鍵盤修理

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こないだ落札したMR76を修理した。分解の手順はts12.netの手順とほぼ同じで、この手順のまま進めても問題ないけど、基本的に、メインボードと、キーボードを固定しているスペーサー類を取り外すだけでいける。FDDとコントローラ周りは一切取り外さなくて大丈夫。
バラして、キーボードを分離するとこんな感じ。あの重さの大部分はキーボードなんだってことがよくわかる。(そもそも全部のキーに錘とハンマーが付いてるんだから当然か) 左上のはメインボード。

キーボードを分離

キーボードは見ての通りイタリアのFATAR製。

FATAR製キーボード

矢印の部分を押すとキーが一個ずつ外れるんだけど、

キーを取り外す方法

本体の中から落ちてきたこの部品は、

破片

C5のキーの、ハンマーを押す部分だった。

折れた部分

今日、この部分をキーに固定するためにどうしたらいいかを考えて、ホームセンターで小さな金属板を買ってきていたんだけど、いざ現物を見てみたところ、その金属板を使えるほどキーの裏側には余裕がなくて、別の方法を考えざるを得なくなった。じっくり考えた結果、折れた部品とキー本体側に1個ずつ穴をあけて、タイラップで縛った上で接着剤で固めることに決定。これなら、キー自体の重さも殆ど変わらないし、接着剤が取れちゃったとしても、部品が再びもげることは避けられる。

固定後

とりあえずタイラップで縛っただけで取り付けてみて、問題なくハンマーを押し下げてくれることを確認。タイラップの切り方は結構適当でよくて、このくらい伸びていても平気。ただ、縛る向きは、となりに延びている細い棒や、実際に取り付けたときの本体側との関係で、写真の方向で縛らないとダメ。この写真のまま根本を接着剤で固定して組み立てた。

キーボードアッセンブリーは重たいから、ケースへの脱着が一番大変な作業になるんだけど、鍵盤を裏返しに床に置いて、ケース側をずらすようにしたら簡単に取り付けられた。このやり方はお薦めだ。
全部組んでからスタンドに乗せて、恐る恐る弾いてみる。全部のキーから音も出るし、スカスカだったC5もちゃんとピアノっぽいタッチに戻ってるし、分解のついでに、中に大量に貯まっていたゴミも吸い取ったし、組んだままじゃ綺麗にできなかった部分も掃除できたしで、とっても気分がいいな。アフタータッチが効かなくなったらどうしよう。。。っていう怖さはあったけど、どこも何も問題なかった
これで、MR76の分解は完璧だ。

この機会に、MR76の分厚い日本語マニュアルとOS V2.0の薄いマニュアルを全ページスキャンしてPDF化した。メーカーがもうなくなっちゃったから、貴重な一品じゃないだろうか。こういう場合著作権がどうなるのかはわからないけど、オレが決められることじゃないんで、あくまで個人利用ってことで持っておくことにしよっと。
全部で630ページほど。我ながらよくやったと思うわ。