多摩市廃プラ中間処理施設の運動に参加

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所謂エコプラザ多摩の問題が最近になって急激に盛り上がりを見せている。この地域に関わりの無い人には耳慣れないものかもしれないし、この地域の住民でも、知らない人は知らないという程度の認知度だ。が、知ってしまったからにはスルーできない問題なのは事実だ。
中身をざっくり書いてしまえば、このままのペースで不燃ゴミを埋め立てていては、日ノ出町の最終処分施設のキャパシティが近い将来一杯になってしまうという問題に対して、多摩市は、廃プラスティックを集めて圧縮梱包するための施設をエコプラザ多摩内に作ろうとしているというもの。ただ、エコプラザ多摩の土地は川崎市麻生区との県境であり、多摩市は川崎市側の近隣住民に対する説明を行わずに工事を進めることを決定しており、工事着工を目前に、決定事項の説明のみを行うことで逃げ切りを目論んでいるというやりかたに対して不満が持ち上がっているというものだ。廃プラ中間処理施設については、過去に杉並区の杉並病問題(施設から排出されるダイオキシンを始めとする化学物質による健康被害。現在も患者は大勢居る)や、町田市で施設の新設が撤回された事例(行政が民間業者に丸投げした失敗例)など、何らかの問題を引き起こしているものばかりで、今回の件でも、多摩市は安全性に関する説明も不十分なままに来年4月の操業開始に向けて動こうとしている。

この動きに対して、計画の撤回を含めて地域で活動しようというものなんだけど、今日、地域の公民館で集会があるのを知っていたので、軽い気持ちで娘を連れて参加してみたんだけど…実は、今日の集会は実働のための具体的な役割分担や戦略について話し合いをする場で、単に興味があって話を聞くような場ではないのだった。公民館に入ると、てっきり椅子がずらっと並べてあるものだと思っていたのが、ラウンドテーブル状態で、完全にディスカッションを前提とした雰囲気。。。「来る場所を間違った…」と感じたものの、そこで引き返すのもいかがなものかということで話に加わった。
二日前にも同様の集まりがあり、多くの人はそのときの集会からのメンバーだったんで、新顔はオレを含めてごくごく少数のようだ。そもそも、オレが住むマンションは町内会に加入していないこともあって、こういった町内会の活動にはあまり参加しない方針なので、情報を知り得た有志のみが参加するような形を取っていることもあって、なおさら居場所が見つけづらい感じだ。結局、うちのマンションからはオレを含めて2人しか参加していないことがわかった。(マンション内の掲示板には、この問題のビラは貼ってあるんだけど)

会の冒頭で、川崎市の人間がどれだけ意見したところで多摩市のことには何ら影響を及ぼせないということが告げられ、何ともテンションの下がる始まりかただった。そりゃそうだわな。外野がとやかく言っても、施設からの風邪が川崎市にしか吹かない事実があったとしても、施設のある場所が多摩市である以上、川崎市民が多摩市のことに口出しなどできない。もっとやりにくいのは、当の多摩市民はエコプラザ多摩に設置される廃プラ中間処理施設については特に問題視していないということ。すぐ横には給食センターもあるし、国士舘大学もあれば幼稚園だってある。それでも、市から受けた説明で納得してしまっているか、端から感心を持たない人も多いらしいのだ。こんな状況で一体どうやって多摩市民の関心を引くことができるのか、相当な苦労が待っていることが容易に想像できる。

会合は9時に始まり、13時半くらいに解散になった。集まった人達で役割分担(ワークグループに分けて作業)し、次の週末までにやることが発表された。ちなみに、町内会に入っていないオレらは、少しでも多くの人の関心を引くために、廃プラ中間処理によって危惧される点を調べ上げ、この活動の公式ホームページに公開するための役割を受け持つことになった。 この集まりに参加する前は、廃プラ中間処理施設=杉並病に直結という図式が頭の中にあって、えらく危険な施設が出来上がるんだとばかり思っていた。健康被害に直結することが予め分かっているのであれば戦略は立てやすいわけだけど、実際には、杉並の中間処理施設で行っていた不燃ゴミ全てを圧縮してしまう施設ではなく、プラスティックに限定した施設なんだそうだ。こうすることで、様々なゴミが混ざることで生じる化学反応による有害物質の拡散はだいぶ抑えられることが期待でき、安全性も十分に確保できるというのが多摩市の言い分らしい。ただ、多摩市が配布した報告書によれば、この施設が稼働することによって危惧される周辺への影響という点では、運搬のトラックが増えることによる空気の汚染、異臭のみを懸念点として挙げており、化学物質については一切触れていない。杉並の処理施設では、健康被害が施設から排出される有害物質によるものであることが認められた後でも依然被害を訴える人が増え続けている点などから、プラスティックだけを処理しても完全性を確保できないことを証明しているように見える。多摩市の言い分では、杉並の施設とは取り扱うゴミの種類が違う点から、より安全だということを力説しているけども、違うことが安全の証明ではないこと強く訴える必要があると感じた。