夜9時になろうかとしているところに、突然ドアをノックする音が。時間が時間なので、一度目では出ないで「誰だろ、恐いね」などと妻と話していると再度ノック。のぞき窓から覗いてみると、パーマ頭の女の人が立っています。恐いな~と思いながらも恐る恐る出てみると、向かいの棟の一階に住むおばさんでした。何か文句言いに来たのかな?とビクビクしていたんですが、えらく困った表情で話し始めます。自分が聞き取れる限界を超えた長さだったので、全部の意味を理解することはできませんでしたが、一緒に住んでいた夫が二週間前に無くなって、家賃か何かの支払いに困っているというようなことを言います。涙目で訴えてくるので、ちょっと待ってもらってひとまず財布の中を確認しましたが、$10くらいあればちょうどいいかと思ったのに、あいにく$9しかありません。でも、知り合いでもないし、返ってこないだろうし、多くあげすぎて癖になっても困るな~と、$5にしておきました。額が少ないので申し訳なさそうに差し出すと、後で返しに来るというようなことを言って、とぼとぼと帰って行きました。
確かに、ここに住むようになってから、あのおばさんと、松葉杖をついた体の具合の悪そうな大柄のおじさんが一緒にいるのを数回見たことがあるので、亡くなったという話はあながち嘘じゃないかも…とは思います。でも、このアパート、家賃は$1,100くらいらしく、この先あの人はどうやって暮らしていく気なんでしょう。それにしても驚きました。
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