普通に11時半すぎに会社を出て、京王線が新宿のホームに着こうかというとき、車両の反対側からもの凄い勢いで三人の人が走ってきます。先頭は大学生風のどこにでもいそうなにーちゃんです。思い切り体当たりされたら痛そ~と思ったのですが、前の車両とは繋がっていない車両の先頭のすみに乗っていたので、それ以上よけることもできず、向かってくる集団に巻き込まれてしまいました。追いかけてきたサラリーマン風のにーちゃんと、女子高生風(制服を着ているとはいえ、本物かどうかは見た目からはわからないので)の女の子は「痴漢だ!」と叫んでいます。逃げてきたにーちゃんは「なんでやねん!」と、これまた叫んでいます。私は行き場を無くしていて、ぐいぐい押してくるので無視するわけにもいかず、とりあえず逃げてきたにーちゃんの服をつかんでみました。が、周りには結構な人が乗っていますし、既に新宿駅に着いてしまっています。もはや逃げ場は無いでしょう。それよりも、私は現場を目撃したわけではありませんし、痴漢えん罪の被害に遭っている人が世の中には結構いるそうなので、真実も知らずに力任せに押さえつけるのも納得がいかず、ただ、大学生風のにーちゃんは、自分が無実だと思うのなら逃げるべきではなかったな…と、現場を見てはいないながらも痴漢は事実だったんじゃないだろうかと思ったりもしました。
電車が停止する瞬間、サラリーマン風の人が私に「警察を呼んできてください!」と言ったのですが、その騒ぎを取り囲んでいる人の数はもの凄く、駅員もすぐ近くにいたので、夜間サポートの電話待機当番だったこともあって、その場を後にしてしまいました。電車のドアが開いて、集団がもみ合いながら車両の外に出たときの犯人とされている人の叫び声の悲惨さが衝撃的でした。一方、被害者とされる女子高生風の女の子は、今時の女の子という感じで、それはそれはもの凄い怒りようです。「じゃ、なんで、手ぇ後ろにまわしたんだよ!!」とか怒鳴ってました。
協力してあげなくてごめんなさいという気持ちではあるのですが、一体どうすればよかったのか、冷静に考えられるようになった今も判断がつきません。
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